2016年01月16日

真冬のビールの仕込みかた2

寒い日が続きます。いかがお過ごしでしょうか。


「冬にビールは仕込めませんか?」との質問を
よくいただきます。

実は、
冬はビールを最も美味しく仕込める季節です。

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少しの工夫と手間で、
設備が整ったブルワリーと全く遜色なく、
高品質のビールを仕込むことができます。


「真冬のビールの仕込み方」に
http://advancedbrewing.sblo.jp/archives/20120112-1.html

冬季の発酵温度の保ち方や
低温での発酵が可能なラガーイーストの使い方を書いていますが、



今回はもう少し踏み込んで積極的に
冬ならではの、高品質なエールビールを仕込むための温度管理を
工程順に書いてみます。


1)主発酵
発酵中の液温(室温ではありません)を
19〜20℃になるように保温します。
せっかくの寒さですので、21℃以上には上げないようにします。

イーストは温度が上がるほど、
発酵の際に青リンゴのような、バナナのような、シンナーのような、
様々な香味成分を生成します。

元気に発酵する温度帯の範囲内で、できるだけ低い温度を維持します。
それが、エールイーストの場合、概ね19〜20℃です。


冬季の保温は簡単です。
「真冬のビールの仕込み方」に、簡単な保温方法を書いています。
http://advancedbrewing.sblo.jp/archives/20120112-1.html
ご参照ください。



2)発酵が終わったら
一旦温度を25℃くらいまで上げて、その温度で1日放置します。

無理な場合は省略しても良いですが、
できれば暖房の近くにおいて、温度を少しでも上げてみてください。

これによって未発酵の糖分の発酵を促します。
熟成を促進させる効果も有ります。


3)温度を上げた後、今度は温度をできるだけ下げます。
0℃〜 できれば5℃以下で1週間、
10℃くらいでしたら2週間、放置します。

凍ってしまわないように注意して、玄関やベランダに出すと良いです。

このとき、光にあてないように遮光するとよいです。
ビールに光が当たると、日光臭(スカンク臭とも呼ばれます)が
ついてしまいます。


発酵が終わったビールは、イーストや雑な成分が
無数に舞っていて濁っています。
大雨の後の川の水のようです。

温度を下げることで、これらの沈殿を促します。
見た目もフレイバーも、クリア・クリーンになります。



4)瓶詰め
以降は通常通りです。
瓶内発酵させる必要が有りますので
十分な炭酸が入るまで、温度を19℃以上に保ちます。


なお、0℃近くで1ヶ月等、イーストを沈殿させすぎた場合は
瓶詰めで瓶に入るイーストの数が少なく、活性も低下しています。
このような場合は、瓶詰めの際に少量の新しいイーストを
加えると、瓶内発酵がスムースに進みます。


5)また、せっかくクリア・クリーンに仕込んだビールですので、
飲む前に冷蔵庫で2週間ほど放置してみましょう。

グラスを複数用意して、
沈殿した澱が入らないように、瓶を傾けたまま、そっとグラスに
澱を残して注いでしまいます。

いつも飲んでいる自分のビールとは思えないほどの
クリアなビールが楽しめると思います。

記事先頭の写真は、ケグに詰めて0℃2週間置いたものですが
瓶詰めでも基本は同じです。
温度を下げてイーストを沈殿させて、
そのイーストが舞わないように注ぎます。


真冬の低温を積極的に利用して高品質なビールを仕込む方法は
以上です。


温度に気を配って、
美味しいビールをを仕込んでください。
posted by advancedbrewing at 12:48| Comment(0) | 日記
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